女医が鬱になる前に出ていたサイン|夫から見て「これは限界だった」瞬間
これは、大学病院で働く女医だった妻が、鬱になる前に実際に起きていたことを、
夫の立場から書いた記録です。
「まだ大丈夫」と思っている人ほど、同じ状態に近づいているかもしれません。
正直に言うと、最初は「疲れてるだけ」だと思ってました。
大学病院の勤務医だし、忙しいのは当たり前。眠れない日があるのも普通。…そう思ってた。
でも今思えば、あれは完全にサインが出てました。
そして一番やっかいなのが、本人は「サイン」だと思えないことでした。
救急車のサイレンで体が固まるようになった
救急車の音が聞こえると、彼女はビクッとします。
電話の呼び出し音でも同じ。肩が跳ねて、冷や汗をかく。
夜も眠れません。布団に入っても目は閉じてるだけ。朝になると「一睡もできてない」と言う。
部屋はどんどん散らかっていきました。だらしないからじゃない。片付ける気力がもう無かっただけです。
「私がやらないと患者さんが死ぬ」という思考
彼女がよく言っていた言葉です。
「私がやらないと患者さんが死んでしまう。」
「みんなやってるのに、私ができないのが悪い。」
正直、聞いていてしんどかった。
でも、この考え方って、本人が一番自分を追い詰めるやつなんですよね。
終わりがない。どれだけ頑張っても「もう十分」は来ない。
休むことすら「患者を見捨てる」みたいに感じてしまう。そういう世界。
夜中に過呼吸を起こし、泣き崩れるようになった
ある時から、夜中に突然、息ができなくなって起きるようになりました。
過呼吸みたいな感じです。横で見てるこっちが怖くなる。
そして、何度か、本当に泣き崩れたことがあります。
理由を聞いても、「分からない」「私が悪い」それしか出てこない。
感情が整理できなくなってる感じでした。
こっちは心配で声をかけるんだけど、本人は「もっと頑張らないと」しか言えない。
「休めばいい」「辞めればいい」が通じなかった理由
外から見ると、簡単に言えます。
「少し休めば?」「辞めたっていいじゃん」
でも、それが一番届かない。
彼女にとっては、それ=患者を見捨てること。それ=同僚に迷惑をかけること。
「患者を見捨てる感覚がある。」
「同僚にしわ寄せがいくのがつらい。」
誰かに責められているわけじゃない。
自分で自分を裁いている状態でした。
夫から見て一番怖かったサイン
一番怖かったのは、「つらい」と言わなくなったことです。
泣きもしない。怒りもしない。愚痴も言わない。
ただ、仕事に行って、帰ってくる。
今だから分かります。
壊れる前って、本人は「壊れてる」自覚がない。
まだ大丈夫だと思っている女医の人へ
これは、「今すぐ辞めろ」という話じゃありません。
ただ、これだけは言わせてください。
無理をしないで、逃げてください。
食っていく方法はいくらでもあります。仕事では、人の代わりはいくらでもいます。
でも、あなたの代わりはいません。
「まだ大丈夫」と思えているうちは、選択肢があります。
でも、それを言い続けていると、選べなくなる瞬間が来ます。
※ここでは答えは出しません。考えるきっかけだけ置いておきます。
次に読む(このテーマの続き)
②女医が鬱になるまでの現実|「大学病院なんてどこもこんなもん」の末路 ③女医が鬱になる前に選べた選択肢|「休職」すら見えなくなる前に整理しておく▶ この連載の一覧はこちら: 女医が壊れる前に逃げる話